夏の暑さ対策    
 
   福島原発の事故以来、原発の安全性について議論が盛んである。過去の古文書等  
  古い記録に書き残っている自然災害以上の災害は発生しない、というのがこれまで  
  の見方だったが今回の大震災はこの常識をくつがえしてしまった。これからは想定  
  外の自然災害までも想定していろいろな備えをしてゆく必要が出てきた。特に原発  
  や巨大なガスタンクなどは想定外への備えまで完全に行う必要がある。  
   一方、十分な安全対策を施すまで原発を止めてしまうとなると夏の日中(最大電  
  力消費時)に電力不足が生じる可能性が出てくる。「止めるのなら代替え電力はど  
  うするのか。」と、原発推進側は問いかける。が、少し考えてみると「暑さにはエ  
  アコンのみで対処する」というのは極めて単純な発想ではないかと思う。  
   多くの人が勘違いしているのだが、実は「エアコンは空気を冷やす機械」なので  
  はなく「大気から冷気と暖気を作る機械」なのです。つまり室内に冷気が提供され  
  る分、外に置いた室外機からその分の熱気が放出される。たとえば、33度という  
  空気を26度と40度の空気に分けてくれる。強制的に分けるのでその時にエネル  
  ギーが必要−というわけです。田舎であればこの熱気を周りの植物、小川、田んぼ  
  等が和らげてくれますが、都会では人工物だらけなので、またエアコンの数も多い  
  ので、あちこちの室外機からの熱気が集まってどんどんと大気中に溜まってゆく。  
  つまり放出された熱で外の温度がさらに上昇してゆくので、せっかく冷やした室内  
  の温度もビルの壁面やドアの開閉を通じてまた少しずつ上昇し始める。そのため適  
  温を維持するため、エアコンの出力が自動的に増加−となる。エアコンが出力増加  
  となると放出熱がさらに増えて外の温度がもっと上昇してゆく→さらにエアコンが  
  出力増加−と悪循環におちいる。  
   この悪循環を断ち切る方法はないのか?と問いかけられれば、「実はある」ので  
  す。それは都市の中に緑を中心とした自然的なエリアを増やすこと。この写真は静  
  岡県藤枝市の瀬戸川河畔にある遊歩道沿いのベンチで
  す。ここは僕のお気に入り。夏場にこの近辺へ仕事に
  来ると昼はたいていここで休憩する。ベンチの頭上で
  は2つの大木が枝を重ねて5,6層の葉層を作っており、
  瀬戸川を川下から渡ってくるそよ風もあって心地良い
  空間となっている。ここにはエアコンのような冷気は
  ないが爽やかさがある。午前中の仕事の疲れやへばり
  を癒してくれ、体力気力が回復してくる。最近の大変
  な暑さの真夏の日中でも、ここではエアコンは「必要
  がない」。  
   緑の力、自然の力をもう少し利用したらどうかとい
  う提案です。木陰と草むらのようなエリアが増えてく
  ればエアコンの電力使用量は確実に減るだろう。また、
  災害時の避難場所にもなる。巨大地震が来れば今の都
  会では避難する場所はほとんどない。ビルの中では建
  物が崩れる心配があるし、外に出ればビルからいろい
  ろなものが降ってくる。火事になれば煙があたり一面
  に広がり、気仙沼のような大規模火災となれば都市の
  郊外へ出るまで息を吸う場所はなく、有毒ガスで何万
  という人が犠牲になるだろう。自然を適度に取り入れ 2010ネン猛暑モウショナカでも休息キュウソクができた場所バショ  
  て、自然とともに生きてゆく気でないとうまく暮らし ヒカっている部分ブブンカワソト強烈キョウレツ太陽タイヨウ  
  ては行けない−ように地球はできているのかもしれな あることがわかるでしょう。  
  い。  
 
 
 
 
 
 
 
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